ここからは前のページで使用してきた立方体に、複数のUVマップを設定した場合の実際の使用例をいくつか紹介します。
2 背景用のテクスチャの上に背景が透過したテクスチャを重ねて使用する場合
ひとつ目は背景が透過したBlenderのロゴのテクスチャと(画像13参照)、

背景用のテクスチャ(画像14参照)を、これまで使用してきた立方体に重ねて使用する場合です。

手順1
立方体が選択されていることを確認して、Eeveeで透過テクスチャを扱えるようにプロパティ(Properties)>マテリアルプロパティ(Material Properties)>設定(Settings)>ブレンドモード(Blend Mode)をアルファハッシュ(Alpha Hashed)に切り替えます(画像15参照)。

Cyclesを使用する場合は上記の設定は必要ありません。
手順2
シェーダーエディター(Shader Editor)でノードを画像16のようにつなぎます。

使用しているノードは左から以下のようになっています。
- 追加(Add)>入力(Input)からUVマップ(UV Map)ノードを追加して、上には「UVMap」、下には「UVMap.001」を設定します。
- 追加(Add)>テクスチャ(Texture)から画像テクスチャ(Image Texture)ノードを追加して、上には背景用のテクスチャ、下にはBlenderのロゴのテクスチャを設定します。上下は逆にしないようにしてください。
- 追加(Add)>カラー(Color)からミックスRGB(MixRGB)ノードまたはミックスカラー(Mix Color)ノードを追加して、ふたつのテクスチャをつなぎます。アルファ(Alpha)と係数(Factor)も忘れずつないでください。
- プリンシプルBSDF(Principled BSDF)とマテリアル出力(Material Output)は初めからあったものです。
以上のようにノードをつないだ結果、「UVMap」を使用した背景のテクスチャの上に「UVMap.001」を使用したロゴのテクスチャが重なって画像17のようになります。

ベイクする場合
画像17の状態をひとつのテクスチャにしたい場合はベイクの機能を使用します。
ベイクは選択中のUVマップを使用するので、この場合では「UVMap」を選択してベイクします。

3 マテリアルをふたつ使用して使い分ける場合
ふたつ目は白黒のBlenderのロゴのテクスチャ(画像18参照)と、

背景用のテクスチャ(画像19参照)をふたつのマテリアルを使用して1の作業で使用していた立方体に使用します。

手順1
3Dビューポート(3D Viewport)で立方体を選択したら、プロパティ(Properties)>マテリアルプロパティ(Material Properties)でマテリアルをさらにひとつ追加します。マテリアルを追加したら、3Dビューポート(3D Viewport)はオブジェクトモード(Object Mode)から編集モード(Edit Mode)に切り替えます(画像20参照)。

手順2
現在は立方体の面全体に初めからあった「Material」が割り当てられている状態ですが、3Dビューポート(3D Viewport)で立方体の上の面だけを選択して、マテリアルプロパティ(Material Properties)で「Material.001」を選択して割り当て(Assign)をクリックして、立方体の上の面だけは「Material.001」を割り当てます(画像21参照)。

手順3
マテリアルの割り当てが済んだので、まずはマテリアルプロパティ(Material Properties)などで「Material」を選択して、シェーダーエディター(Shader Editor)でノードを画像22のようにつなぎます。

画像22で使用しているノードは左から以下のようになっています。
- 追加(Add)>入力(Input)からUVマップ(UV Map)ノードを追加して、「UVMap」を設定します。
- 追加(Add)>テクスチャ(Texture)から画像テクスチャ(Image Texture)ノードを追加して、背景用のテクスチャを設定します。
- プリンシプルBSDF(Principled BSDF)とマテリアル出力(Material Output)は初めからあったものです。
手順4
次にマテリアルプロパティ(Material Properties)などで「Material.001」を選択して、シェーダーエディター(Shader Editor)でノードを画像23のようにつなぎます。

画像23で使用しているノードは左から以下のようになっています。
- 追加(Add)>入力(Input)からUVマップ(UV Map)ノードを追加して、「UVMap.001」を設定します。
- 追加(Add)>テクスチャ(Texture)から画像テクスチャ(Image Texture)ノードを追加して、白黒のBlenderのロゴのテクスチャを設定します。
- プリンシプルBSDF(Principled BSDF)とマテリアル出力(Material Output)は初めからあったものです。
ふたつのマテリアルのノードを以上のように設定した結果、立方体の上の面には「UVMap.001」を使用した「Material.001」が割り当てられ、立方体の上の面以外には「UVMap」を使用した「Material」が割り当てられ、画像24のようになります。

ベイクする場合
画像24の状態をひとつのテクスチャにしたい場合はベイクの機能を使用します。
ベイクは選択中のUVマップを使用するので、この場合では「UVMap」を選択してベイクします。また、両方のマテリアルにベイク用の画像テクスチャ(Image Texture)ノードを追加する必要があります。
4 UVマップを編集してふたつのUVを使い分ける場合
最後は3の画像18と画像19のテクスチャを使用して、マテリアルをひとつで画像24と同じになるようにUVマップを使い分けする方法です。
この方法ではUVマップにも手を加えます。
3で使用した立方体をそのまま使用する場合は「Material.001」とのリンクは切って、「Material」だけを残してください。
手順1
3Dビューポート(3D Viewport)で立方体を選択したら編集モード(Edit Mode)に切り替えて、UVエディター(UV Editor)で「UVMap」が選択されていることを確認します(画像25参照)。

手順2
3Dビューポート(3D Viewport)で立方体の上の面だけ選択したら、UVエディター(UV Editor)でもその面をボックス選択(Select Box)などを使用して選択します(画像26参照)。

UVの選択を同期(UV Sync Selection)はデフォルトでオフになっていますが、オフのまま作業してください。
手順3
この状態でUVエディター(UV Editor)上でYキーを押すと選択された部分の分割(Split)ができるので、場所はどこでもいいのでGキーなどを使用してUVのグリッド外へ移動させます(画像27参照)。

3Dビューポート(3D Viewport)で立方体のすべての面を選択してUVエディター(UV Editor)を確認すると、UVのグリッド内には立方体の上の面以外が残ります(画像28参照)。

手順4
今度は「UVMap.001」を選択して、3Dビューポート(3D Viewport)で立方体の上の面以外の面を面選択(Face Select)モードで選択して、UVエディター(UV Editor)でもその面をボックス選択(Select Box)などを使用して選択します(画像29参照)。

手順5
「UVMap.001」の場合は分割(Split)の必要はないので、場所はどこでもいいのでGキーなどを使用してUVのグリッド外へ移動させます(画像30参照)。

3Dビューポート(3D Viewport)で立方体のすべての面を選択してUVエディター(UV Editor)を確認すると、UVのグリッド内に立方体の上の面だけが残ります(画像31参照)。

手順6
UVマップの編集はこれで終わりなので、3Dビューポート(3D Viewport)で編集モード(Edit Mode)からオブジェクトモード(Object Mode)に切り替えます。
3Dビューポート(3D Viewport)で立方体は選択したままにして、UVエディター(UV Editor)をシェーダーエディター(Shader Editor)に切り替えて、ノードを画像32のようにつなぎます。

画像32で使用しているノードは左から以下のようになっています。
- 追加(Add)>入力(Input)からUVマップ(UV Map)ノードを追加して、上には「UVMap」、下には「UVMap.001」を設定します。
- 追加(Add)>テクスチャ(Texture)から画像テクスチャ(Image Texture)ノードを追加して、上には背景用のテクスチャ、下には白黒のBlenderのロゴのテクスチャを設定します。上下は逆にしないようにしてください。また、画像テクスチャ(Image Texture)ノードのリピート(Repeat)をクリップ(Clip)に変更します。
- 追加(Add)>カラー(Color)からミックスRGB(MixRGB)ノードまたはミックスカラー(Mix Color)ノードを追加して、ふたつのテクスチャをつなぎます。
以上のように設定した結果、画像33のようになります。

ベイクする場合
画像33の状態をひとつのテクスチャにしたい場合はベイクの機能を使用します。
ベイクは選択中のUVマップを使用しますが、この場合はベイク用の3つ目のUVマップを作成して、そのUVマップを選択してベイクします。
以上、Blenderの「ひとつのメッシュ内で複数のUVマップを使い分ける方法」でした。
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