Blenderの自動スムーズシェード(Shade Auto Smooth)とシャープをマーク(Mark Sharp)の使用方法を紹介します。
1. Blenderの「自動スムーズシェード」と「シャープをマーク」とは?
1.1 「フラットシェード」と「スムーズシェード」
頂点を増やすことなく、3Dモデルの表面を滑らかに見せるためのテクニックとして、スムーズシェード(Shade Smooth)を使うことがあります。
ただし、スムーズシェードにしただけでは、きれいな平面のまま表示したい部分や、シャープに際立たせて表示したい辺までも滑らかになってしまいます。
例えば画像1のフラットシェード(Shade Flat)にしている円柱を、

スムーズシェードにすると、画像2のように側面は丸く滑らかになりましたが、上面と底面の境界まで滑らかになってしまっています。

このような場合に自動スムーズシェードとシャープをマークが役立ちます。
1.2 「自動スムーズシェード」の役割
自動スムーズシェードは設定した角度(例えば30度)を基準として、隣り合う2つの面の角度が基準より大きい(例えば90度)場合には、その境界線にある辺をシャープに際立たせて表示します。
一方で、基準より小さい(例えば10度)場合には、その境界線にある辺を滑らかにして目立たなくさせます。
例えば円柱に自動スムーズシェードを使用すると、画像3のように滑らかに表示したい部分と辺をシャープに表示したい部分を分けることができます。

1.3 「シャープをマーク」の役割
シャープをマークも辺をシャープに際立たせて表示する機能ですが、自動スムーズシェードによる角度の自動設定だけでうまくいかない場合に、手動で辺を指定できます。
例えば画像4の円柱のように、シャープをマークを使うことで側面の辺の一部だけをシャープに表示できます。

2. Blenderの「自動スムーズシェード」の基本的な使い方
ここでは画像5のようなフラットシェードの円柱を説明用に使用します。

ここでは円柱の辺が見やすいように、キャビティ(Cavity)をオンにしています。
この設定は、3Dビューポート(3D Viewport)のヘッダー(Header)の右端にある三角のアイコンをクリックして表示されるビューポートシェーディング(Viewport Shading)のメニュー内にあります。
2.1 メニューから「自動スムーズシェード」を使う場合
オブジェクトモード(Object Mode)で対象の3Dモデルを選択した状態で、右クリックで表示されるメニュー内にある自動スムーズシェードをクリックします(画像6参照)。

すると、画像7のように滑らかに表示したい部分と辺をシャープに表示したい部分を、設定した角度を基準として分けることができます。

自動スムーズシェードを使用すると、対象の3Dモデルに対して、メッシュをスムーズシェードにしつつ、モディファイアー(Modifier)の角度でスムーズ(Smooth by Angle)の追加も行っています。
プロパティ(Properties)のモディファイアーを確認すると、画像8のように角度でスムーズが追加されています。

角度(Angle)で2つの面の角度を設定できます(デフォルトは30度です)。
シャープを無視(Ignore Sharpness)にチェックを入れると、手動でシャープをマークを設定していた辺を無視して、角度だけでシャープに表示する辺とそうでない辺を区別します。
2.2 初めに「角度でスムーズ」を追加する場合
自動スムーズシェードを使わず、プロパティのモディファイアー > モディファイアーを追加(Add Modifier)> ノーマル(Normals)から角度でスムーズを追加した場合は、手動で対象の3Dモデルをスムーズシェードにする必要があります。
スムーズシェードにするには、オブジェクトモードで対象の3Dモデルを選択した状態で、右クリックで表示されるメニューから選択してください(画像9参照)。

3. Blenderの「シャープをマーク」の基本的な使い方
こちらでも画像10のような円柱を説明用に使用します。

3.1 辺に「シャープをマーク」を設定する方法
シャープをマークを使用する前に、対象の3Dモデルをスムーズシェードにします(画像11参照)。

対象の3Dモデルを選択したら編集モード(Edit Mode)に切り替えて、シャープにしたい辺を選択します(画像12参照)。

右クリックで表示されるメニューにあるシャープをマークをクリックします(画像13参照)。

これで、選択していた辺にシャープをマークを設定できました。
シャープをマークを設定した辺は、画像14のように編集モードでは水色で表示されます。

オブジェクトモードで対象の3Dモデルを確認すると、画像15のようにシャープをマークを設定した辺がシャープに際立って表示されています。

3.2 設定した「シャープをマーク」を解除する方法
編集モードでシャープをマークを設定した辺を選択して、右クリックで表示されるメニューにあるシャープをクリア(Clear Sharp)をクリックすると、シャープをマークを解除できます。
4. Blenderの「自動スムーズシェード」と「シャープをマーク」に関するトラブルシューティング
4.1 「自動スムーズ」が見つからない
Blender 4.1より前のバージョンで使われていた自動スムーズ(Auto Smooth)という名前やプロパティ内のメニューは、Blender 4.1以降では自動スムーズシェードまたは角度でスムーズという名前に変わり、モディファイアーとして扱われています。
4.2 「シャープをマーク」を設定した辺が水色で表示されない
編集モード中に3Dビューポートのヘッダーにあるメッシュ編集モード(Mesh Edit Mode)をクリックして表示されるメニューで、シャープ(Sharp)がオン(青の状態)になっているか確認してください(画像16参照)。
このボタンがオフ(グレーの状態)になっていると、シャープをマークを設定した辺が水色で表示されません。

4.3 自動スムーズシェードを使用したら、表面に不自然なシワや変な線が出た
自動スムーズシェードを使用したら、表面に不自然なシワや変な線が出るなど、シェードがおかしくなる原因と対処法について、思いつく限りでまとめてみました。
この中には自動スムーズシェードが原因ではなく、スムーズシェードを使用したことが原因のものもあります。
- 法線が裏返っていることが原因の場合、正しい向きに直してください。
- 頂点が2つ重なっている部分があった場合は、1つにまとめてください。
- 埋もれた面(Interior Faces)と呼ばれる不必要な面が内部にある場合は、削除してください。
- 多角形(Nゴン)が原因の場合、トポロジーの修正が必要です。
- カスタム法線データが原因の場合、可能であれば削除してみてください。
- モディファイアーの順番が原因の場合は、順番を変えてみてください。角度でスムーズと重み付き法線(Weighted Normal)を追加している場合、上から角度でスムーズ ⇒ 重み付き法線の順番で試してみてください。
5. Blenderの「自動スムーズシェード」と「シャープをマーク」の補足情報
5.1 「角度でスムーズ」の適用
特に複雑な3Dモデルに角度でスムーズを追加した場合、どこの辺にシャープが設定されているか視覚的にわからないこともあるので、角度でスムーズを適用(Apply)してどこに水色のラインが入っているか、3Dモデルの完成前に確認することをおすすめします。
モディファイアーを適用したくない場合は、確認後にCtrlキー+Zキーで元に戻してください。
5.2 「最後に固定」の設定
対象の3Dモデルに自動スムーズシェードを使用すると角度でスムーズが追加されますが、この角度でスムーズには、常にモディファイアーのリストの最後に来る最後に固定(Pin to Last)が自動で設定されます。
画像17の右上に見えるピンのアイコンが最後に固定が設定されている状態を意味しています。
ピンのアイコンをクリックすると、最後に固定を解除できます。

自動スムーズシェードを使わず角度でスムーズを追加した場合は、自動で最後に固定の設定がされることはありません。
5.3 「シャープをマーク」の設定はエクスポートしても残るか
Blenderで行った角度でスムーズやシャープをマークは法線に変更を加える設定なので、エクスポートして他のソフトでも再現できます。
エクスポートはFBX形式がよく使われますが、エクスポート時の設定で、ジオメトリ(Geometry)> スムージング(Smoothing)で法線のみ(Normal Only)を選択してください(デフォルトでこの設定です)。
エクスポートしたFBXを他のソフトで読み込む際に、インポートの設定によって法線を再計算しないように注意してください。
以上、Blenderの「自動スムーズシェード(角度でスムーズ)とシャープをマークの使用方法」でした。

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