Blender: スタートアップファイルを保存(Save Startup File)の使用方法

Blenderで使用できるスタートアップファイルを保存(Save Startup File)という機能を紹介します。

目次

1 スタートアップファイルを保存(Save Startup File)とは

スタートアップファイルを保存(Save Startup File)とは現在使用中のファイルを、スタートアップファイル(=デフォルトのファイル)として保存する機能です。

Blenderで新規ファイルを作成する度に変更している設定などがあれば、その設定をスタートアップファイルを保存(Save Startup File)で保存すれば次回以降の新規ファイルの作成からはその手間を省くことができます。

例えばEeveeを全く使用しない場合はレンダ―エンジン(Render Engine)Cyclesデバイス(Device)GPU演算(GPU Compute)にしてスタートアップファイルを保存(Save Startup File)で保存すれば、新規ファイルを作成したときにレンダ―エンジン(Render Engine)デバイス(Device)を切り替える手間を省くことができます。
また、3Dビューポート(3D Viewport)上に頂点数などを常に表示したい場合は、ビューポートオーバーレイ(Viewport Overlays)統計(Statistics)にチェックを入れてスタートアップファイルを保存(Save Startup File)で保存すれば、新規ファイルを作成したときに統計(Statistics)にチェックを入れる手間を省くことができます。

2 スタートアップファイルを保存(Save Startup File)の使用方法

2.1 スタートアップファイルを保存(Save Startup File)を使用する前の注意点

スタートアップファイルを保存(Save Startup File)を使用して保存されるのは各設定のオン/オフだけでなく、そのときに追加していたオブジェクト、開いていたメニュー(とメニューのサイズ)、3Dビューポート(3D Viewport)上での視点の位置なども保存されます。

何がスタートアップファイルを保存(Save Startup File)で保存されたのかわからなくなってしまうと戻すのが面倒なので、スタートアップファイルを保存(Save Startup File)を使用するときは、Blenderを起動した直後またはBlenderの画面左上にあるファイル(File)>新規(New)>全般(General)で新規ファイルを作成した状態から始めて、保存したいもの以外は一切触れないように注意してください。

2.2 スタートアップファイルを保存(Save Startup File)の使用手順

ここでは統計(Statistics)を例にスタートアップファイルを保存(Save Startup File)の使用方法を紹介します。

手順1

Blenderを起動して、またはBlenderの画面左上にあるファイル(File)>新規(New)>全般(General)から(画像1参照)、新規ファイルを作成します。

Save Startup File
画像1

手順2

3Dビューポート(3D Viewport)ヘッダー(Header)にあるオーバーレイ(Overlays)の矢印をクリックして表示されるメニュー内にある統計(Statistics)にチェックを入れます(画像2参照)。

Save Startup File
画像2

手順3

3Dビューポート(3D Viewport)の左上の部分に頂点数などが表示されているのを確認したら(画像3参照)、

Save Startup File
画像3

Blenderの画面左上にあるファイル(File)>デフォルト(Defaults)と進み、スタートアップファイルを保存(Save Startup File)をクリックします(画像4参照)。

Save Startup File
画像4

手順4

画像5のような確認画面が表示されるので、スタートアップファイルを保存(Save Startup File)をクリックします。

Save Startup File
画像5

以上で完了です。

Blenderを一度終了して再度起動するか、新規ファイルを作成したときに統計(Statistics)が表示されていることを確認してください。

2.3 スタートアップファイルに保存した設定などを元に戻す方法

方法1

ひとつ目は、変更した設定を元に戻して再度スタートアップファイルとして保存する方法です。

統計(Statistics)を例とした場合、Blenderを起動して、またはBlenderの画面左上にあるファイル(File)>新規(New)>全般(General)から新規ファイルを作成して、3Dビューポート(3D Viewport)ヘッダー(Header)にあるオーバーレイ(Overlays)の矢印をクリックして表示されるメニュー内にある統計(Statistics)のチェックを外します。

Blenderの画面左上にあるファイル(File)>デフォルト(Defaults)と進み、スタートアップファイルを保存(Save Startup File)をクリックします。

確認画面が表示されたら、スタートアップファイルを保存(Save Startup File)をクリックします。

以上で完了です。

Blenderを一度終了して再度起動するか、新規ファイルを作成したときに統計(Statistics)が表示されていないことを確認してください。

方法2

ふたつ目は、スタートアップファイルを保存(Save Startup File)で保存したファイルを削除する方法です。
こちらの方法ではスタートアップファイルに保存した設定などをすべて元の状態に戻してしまうので注意してください。

スタートアップファイルを保存(Save Startup File)を使用して保存されたスタートアップファイルは、startup.blendという名前でBlenderのバージョンごとに分かれて下記の場所にあるので(※AppDataは隠しファイルになっています)、このstartup.blendを削除すれば何も変更が加えられていないスタートアップファイルに戻ります。

C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\各バージョン\config\startup.blend

3 補足

3.1 startup.blend以外のファイルの場所

3.1.1 userpref.blend

インターフェイスやテーマなどBlenderプリファレンス(Blender Preferences)で設定するものに関しては、Blenderのバージョンごとに分かれて下記の場所にあります。

C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\各バージョン\config\userpref.blend

userpref.blendを削除すればBlenderプリファレンス(Blender Preferences)での設定がすべて元の状態に戻ります。

スタートアップファイルを保存(Save Startup File)で保存したstartup.blendとBlenderプリファレンス(Blender Preferences)のuserpref.blendは別のファイルなので互いに影響しません。

Blenderプリファレンス(Blender Preferences)について詳しくは下記の記事で紹介をしています。

3.1.2 キー設定のファイル

Blenderプリファレンス(Blender Preferences)のうちキーマップは、Blenderのバージョンごとに分かれて下記の場所にあります。

C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\各バージョン\scripts\presets\keyconfig

3.1.3 インストールしたアドオンのファイル

インストールしたアドオンに関するファイルは、Blenderのバージョンごとに分かれて下記の場所にあります。

C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\各バージョン\scripts\addons

3.2 初期設定を読み込む(Load Factory Settings)

スタートアップファイルを保存(Save Startup File)と同じ場所にある初期設定を読み込む(Load Factory Settings)の機能を使用すると(画像6参照)、

Save Startup File
画像6

この記事で紹介してきたstartup.blend・userpref.blend・キーマップの設定ファイル・インストールしたアドオンなどを含むBlenderのすべてについて何も変更を加えていない状態をロードして、リセットができます。

初期設定を読み込む(Load Factory Settings)を使用した時点ではロードしただけなので、スタートアップファイルを初期設定に戻したい場合はスタートアップファイルを保存(Save Startup File)で保存して、Blenderプリファレンス(Blender Preferences)を初期設定に戻したい場合はプリファレンスを保存(Save Preferences)で保存します。

3.3 Blenderのバージョンと各設定ファイルについて

Blenderではstartup.blendやuserpref.blendなどのファイルはバージョンごとに分けられているので、例えばBlender 3.0.0で初期設定を読み込む(Load Factory Settings)からスタートアップファイルを初期設定に戻しても、その他のBlender 3.1.0やBlender 3.2.0などのバージョンには影響しません。

以上、Blenderの「スタートアップファイルを保存(Save Startup File)の使用方法」でした。

この記事で使用しているのはBlender 3.0.0です。

参考サイト: https://docs.blender.org/manual/en/2.79/data_system/files/startup_file.html

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