Blenderでマウス操作とキー操作を画面上に表示できるようになるScreencast Keysというアドオンを紹介します。
主に動画配信者向けのアドオンです。
1. Screencast Keysのインストール
Screencast KeysはBlender Extensionsで公開されています。
Blender Extensionsからアドオンをダウンロード・インストールする方法については下記の記事を参照してください。
Blenderまたはアドオンのバージョンによってはうまく機能しないこともあるようですが、この記事で使用しているBlender 4.2.2とScreencast Keys 4.1.0では不具合は未確認です。
2. Screencast Keysの使用方法
Screencast Keysをインストールすると3Dビューポートのサイドバー(Sidebar)にScreencast Keysという項目が追加されているのでクリックします。
サイドバー(Sidebar)は3Dビューポート上でNキーを押すか、3Dビューポートのヘッダーのビュー(View)内にあるサイドバー(Sidebar)にチェックを入れると表示されます。
画像1のようなメニューが表示されるので、一番上にあるScreencast Keysにチェックを入れます。
すると、3Dビューポートの左下に画像2のようなマウスのアイコンが表示されるので、マウスやキーボードを操作して、その操作の表示がされているか確認してください。
アイコンが表示されない場合はキーボードの操作を行うか、チェックを入れなおしてみてください。
Blenderを終了させるとScreencast Keysのチェックは外れるので、次回以降起動時に使用する場合はチェックを入れなおす必要があります。
3. Screencast Keysの各設定について
Screencast Keysの各設定について上から順番に説明をしていきます。
3.1 Screencast Keys
ここは繰り返しになりますが、一番上にあるScreencast Keysにチェックを入れるとScreencast Keysの機能のオン/オフの切り替えができます(画像3参照)。
3.2 Color
ColorでScreencast Keysの表示色を設定します。
画像4はデフォルトの色です。
色を変更すると画像5のようになります。
3.3 Shadow
Shadowにチェックを入れて色を設定すると、画像6のようにScreencast Keysで表示される文字に影を付けることができます。
3.4 Background
Backgroundにチェックを入れると、Screencast Keysの表示に背景を設定できます。
Backgroundの下にあるボックスでTextとDraw Areaを選択できますが、ここでは背景が表示される範囲の設定を行います。背景の色はBackgroundの右下にあるボックスで設定します。
画像7はBackgroundにチェックを入れてTextを選択したもので、
画像8はBackgroundにチェックを入れてDraw Areaを選択したものです。
Corner Radiusの値を上げると画像9のように背景の角を丸くできます。
値を上げすぎると形状がおかしくなります。
3.5 Font Size
Font Sizeで文字の大きさを設定できます。
ここで設定するのは文字の大きさだけで、マウスのアイコンの大きさは3.8のMouse Sizeで設定できます。
画像10はFont Sizeを24に設定したもので、
画像11はFont Sizeを48に設定したものです。
3.6 Margin
MarginでScreencast Keysの余白が設定できます。
値を大きくするとマウスのアイコンと文字の余白がそれぞれ大きくなります。
画像12はMarginを0に設定したもので、
画像13はMarginを10に設定したものです。
3.7 Line Thickness
Line Thicknessでマウスのアイコンの線の太さと文字の太さを設定できます。
値を大きくしすぎると表示がおかしくなるようです。
画像14はLine Thicknessを1.00に設定したもので、
画像15はLine Thicknessを3.00に設定したものです。
3.8 Mouse Size
Mouse Sizeでマウスのアイコンの大きさを設定できます。
画像16はMouse Sizeを33に設定したもので、
画像17はMouse Sizeを50に設定したものです。
3.9 Origin
OriginとSet OriginでScreencast Keysの表示位置を設定できます。
4.0のAlignと4.1のOffsetと組み合わせて使用します。
Originには以下のような種類があります。
- RegionではSet Originで選択した場所にScreencast Keysを表示します。
- AreaではSet Originで選択した場所にScreencast Keysを表示します。
- WindowではBlenderの画面内にScreencast Keysを表示します。
- Cursorではマウスカーソルがある位置にScreencast Keysを表示します。
公式には上記のような簡単な説明しかなかったのでもう少し詳しい説明をしますが、こちらで確認した限りではという条件付きなので間違いがあるかもしれません。
Cursor
Cursorではマウスカーソルがある位置にScreencast Keysを表示します。
マウスを動かすとScreencast Keysの表示も一緒に動きます。
Area
Areaとは初期状態で3Dビューポート・アウトライナー・プロパティ・タイムラインが選択されている各場所のことで(画像18参照)、Set Originで選択したArea内にScreencast Keysを表示します。
Blenderを日本語表示にしている場合はAreaは面積となっています。
OriginでAreaを選択した状態でSet Originをクリックするとサイドバー(Sidebar)が赤く表示されますが(画像19参照)、これはSet Originで現在サイドバーを選択している、ということを意味しています。
左クリックで決定、Escキーでキャンセルができます。
例えばアウトライナーのAreaにScreencast Keysを表示したい場合、Set Originをクリックしたら、アウトライナーが選択されているArea上にマウスカーソルを置いて、Area内が赤く表示されたら(画像20参照)クリックします。
すると画像21のようにScreencast KeysをこのAreaで表示できます。
このAreaをアウトライナーから例えば画像エディター(Image Editor)に変更してもScreencast Keysは表示されますが、エリア統合(Join Area)などを使用してこのAreaを削除した場合はScreencast Keysを表示する場所をもう一度選択し直す必要があります。
Region
Regionは上記のAreaに加えてツールバー(Toolbar)・サイドバー(Sidebar)・ヘッダー(Header)などを含んだ場所のことのようです。
OriginでRegionを選択して3Dビューポート内にあるサイドバー(Sidebar)を表示場所にした場合、サイドバー(Sidebar)がある位置にScreencast Keysが表示されます(画像22参照)。
このときサイドバー(Sidebar)を非表示にするとScreencast Keysも非表示になります。
ヘッダー(Header)のような狭い場所を表示場所にした場合は、Screencast Keysが見えなくなるようです。
OriginでAreaを選択してSet Originで3Dビューポートのサイドバー(Sidebar)を表示場所にした場合、Screencast Keysの表示場所は3Dビューポートのサイドバー(Sidebar)ではなく、Set Originで選択したRegionが含まれるAreaとなり、この場合は3Dビューポートになるようです。
RegionもArea同様にエディターを変更してもScreencast Keysは表示されますが、Areaを削除した場合はScreencast Keysを表示する場所をもう一度選択し直す必要があります。
Window
WindowではBlenderの画面(=ウィンドウ)内にScreencast Keysを表示します。この場合のBlenderの画面とはBlenderの画面全体のことなので、Set Originで選択したAreaやRegionは考慮されません。
例えばOriginでWindowを選択して、AlignでLeftを選択した場合は、Set OriginでどのAreaまたはRegionを選択していてもBlenderの画面左側にScreencast Keysを表示します。
AreaやRegionとは違い、Windowではエリアを削除してもScreencast Keysを表示する場所をもう一度選択し直す必要がなくなります。
ワークスペース(Workspace)を頻繁に切り替えるような場合でも、Windowを選択するとScreencast Keysの表示が消えなくなります。
4.0 Align
AlignでScreencast Keysの表示位置をLeft・Center・Rightから設定できます。
3.9のOriginで設定した表示位置からさらに左・中央・右を選択する、という感じです。
4.1 Offset
OffsetでScreencast Keysを表示位置の細かな設定ができます。
3.9のOriginと4.0のAlignで設定した表示位置からさらに細かな調整をする場合に使用します。
Xで横の移動、Yで縦の移動を行います。
4.2 Display Time
Display TimeでScreencast Keysの表示時間を設定できます。
値を増やすほど表示時間が増えます。
4.3 Max Event History
Max Event HistoryではScreencast Keysの表示履歴の数を設定できます。
5に設定すると画像23のように表示履歴が最大で5になります。
4.4 Repeat Count
Repeat Countは同じキーを押した場合の表示設定ができます。
例えばAキーを3回続けて押した場合に、Repeat Countにチェックを入れると画像24のように「A×3」という表示になり、
チェックを外すと画像25のように縦に「A A A」と表示されます。
4.5 Show Mouse Events
Show Mouse Eventsのチェックを外すとマウスの操作を非表示にできます。
ModeのEvent Historyを選択すると、画像26のようにマウス操作を文字で表示します。
ModeのHold Statusを選択すると、マウス操作をアイコンで表示します(デフォルトはHold Statusです)。
Event History + Hold Statusでは文字とアイコンの両方を表示します。
4.6 Show Last Operator
Show Last Operatorにチェックを入れると、操作対象と操作内容を追加で表示できます。
ModeをLabel + ID Nameにして例えばオブジェクトを選択すると、画像27のように「Select (’view3d.select’)」と表示されます。
5. オートセーブについて
Blenderのデフォルトの設定では2分ごとに現在開いているファイルを自動保存(Auto-Save)する機能がありますが、画像28のようにScreencast Keysにチェックを入れている間は自動保存(Auto-Save)が無効になります。
手動でセーブするなどして対応してください。
Screencast Keysにチェックを入れていなければ自動保存(Auto-Save)は有効になります。
以上、Blenderのマウス操作とキー操作を画面上に表示するアドオン「Screencast Keys」の紹介でした。
コメント