Blenderで使用できるModifier Listというアドオンを紹介します。
1. Modifier Listとは
Modifier Listはモディファイアー(Modifier)をより便利に使いやすくするフリーのアドオンで、レイアウトの変更・デフォルトの設定の変更・お気に入りの登録などの機能があります。
Modifier Listをインストールすると、モディファイアーに関する日本語が一部英語になってしまうようなのでその点は考慮して使用してください。
2. Modifier Listのインストール方法
Modifier ListはBlender Extensionsの下記の場所で公開されています。
Blender Extensionsからアドオンをダウンロード・インストールする方法については下記の記事を参照してください。

3. Modifier Listの使用方法
ここからModifier Listの使用方法を紹介していきますが、すべての機能は紹介しきれないので個人的に便利だと思うものに限定しています。
3.1 レイアウトの変更
3.1.1 List
Modifier Listをインストール後にオブジェクトにモディファイアーを追加すると、レイアウトが画像1のように変わります。

画像1Aの位置にあるボックス(左側)またはドロップダウンリスト(右側)からモディファイアーを追加できます。
画像1Bの位置に選択中のオブジェクトに追加されているすべてのモディファイアーがリストで表示されます。
青で表示されているモディファイアー(画像1ではサブディビジョンサーフェス(Subdivision Surface))は選択中を意味しています。モディファイアーの各設定は、選択中のものだけがリストの下に表示されます。
画像1Cの左側の目のアイコンで、現在選択中のオブジェクトに追加されているすべてのモディファイアーのリアルタイム(Realtime)のオン/オフを切り替えます。
画像1Cの中央のチェックのアイコンで、現在選択中のオブジェクトに追加されているすべてのモディファイアーを適用(Apply)します。
画像1Cの右側の×のアイコンで、現在選択中のオブジェクトに追加されているすべてのモディファイアーを削除(Remove)します。
画像1Dの上下のアイコンで選択中のモディファイアーの順番を入れ替えます。
画像1Dのマイナスのアイコンで、選択中のモディファイアーを削除します。
Listと呼ばれるこのレイアウトでは、モディファイアーの設定項目の位置が変わっているものもあります。
3.1.2 Stack
レイアウトだけをデフォルトに戻したい場合は、Blenderプリファレンス(Blender Preferences)>アドオン(Add-ons)>Modifier ListのUI StyleでStackを選択してください(画像2参照)。青の表示が選択中を意味しています。

3.2 サイドバーでモディファイアーを設定
Modifier Listをインストール後、3Dビューポート(3D Viewport)のサイドバー(Sidebar)>Modifier Listでもモディファイアーの追加や設定の変更などが可能になります(画像3参照)。

3.3 モディファイアーのデフォルトの設定を変更する機能
Modifier ListのModifier Defaultsの機能を使用すると、モディファイアーのデフォルトの設定を変更できます。
例えばミラー(Mirror)のクリッピング(Clipping)に初めからチェックを入れたり、サブディビジョンサーフェスのビューポート(Viewport)の値を初めから2にしたりといったことが可能です。
ここでは例として、ミラーのクリッピングを初めからチェックを入れた設定に変更していきます。
Blenderプリファレンス>アドオン>Modifier List>Modifier Defaultsと進みます(画像4参照)。
Modifier Defaultsにあるレンチのアイコンがあるボックスをクリックするとモディファイアーのリストが表示されるので、設定を変更したいモディファイアー(ここではミラー)を選択して、設定を変更します(ここではクリップにチェックを入れます)。

選択中のモディファイアーの設定をデフォルトに戻したい場合は、Reset to Defaultsを選択してください。
ここまで出来たらオブジェクトにミラーを追加して、初めからクリッピングにチェックが入っていることを確認してください。
3.4 コントロール用のエンプティを追加する機能
Modifier ListのAdd Gizmoの機能を使用すると、モディファイアーのコントロール用のエンプティ(Empty)を簡単に追加・削除できるようになります。
ここでいうコントロール用のエンプティとは、ミラーのミラーオブジェクト(Mirror Object)や配列(Array)のオフセット(OBJ)(Object Offset)で設定するオブジェクトのことです。
例えばミラーのミラーオブジェクトを使用する場合、通常はエンプティを追加してミラーオブジェクトにそのエンプティを設定という手順が必要ですが、Add Gizmoのアイコン(画像5の矢印が3方向にあるアイコン)を選択するだけで上記の手順が済みます。このときエンプティは選択中のオブジェクトがある位置に追加されます。

Add Gizmoのアイコンをもう一度クリックすると、追加したエンプティを非表示にできます。
画像6の矢印をクリックして表示されるメニューでエンプティの位置・親子関係・削除などの操作が実行できます。

追加されたエンプティは新規に作成されたコレクション(Collection)に振り分けられます(画像7参照)。

Blenderプリファレンス>アドオン>Modifier List>Gizmoの項目にあるAlways Delete Gizmoにチェックを入れると、モディファイアーを適用または削除したときにエンプティを削除できます(画像8参照)。
Auto Parent Gizmo To Active Objectにチェックを入れると、Add Gizmoの機能で追加したエンプティを自動でアクティブなオブジェクトの子に設定できます。

3.5 お気に入りのモディファイアーを登録する機能
Modifier ListのFavourite Modifiersの機能を使用すると、使用頻度の高いモディファイアーをお気に入りとして使いやすい場所に登録できます。
ここでは例として、ミラーとサブディビジョンサーフェスをお気に入りとして登録していきます。
Blenderプリファレンス>アドオン>Modifier List>Favourite Modifiersと進み、左上のボックスをクリックしてお気に入りに登録したいモディファイアー(ここではミラー)を選択します(画像9参照)。さらにその右隣のボックスにサブディビジョンサーフェスを登録します。

モディファイアーの名前の左側のアイコンが青の表示になっているものが選択中を意味していて(画像9ではミラーが選択中です)、選択中のモディファイアーに対して右側にあるマイナスのアイコンでお気に入り登録の解除、上下のアイコンで並び替え、AZでアルファベット順に並び替えが可能です。
お気に入り登録の解除は、モディファイアーの名前の右側にある×のアイコンでも可能です(こちらを使用する場合は選択中にする必要はありません)。
Menuをクリックすると画像10のようなモディファイアーのリストが表示されるので、ここから各ボックスに登録するモディファイアーを選択することもできます。

Favourite Modifiersの設定のFavourite Per Rowで3を選択すると、モディファイアーを横に3つ並べて表示します(画像11参照)。また、Use Icons In Favouritesにチェックを入れると、お気に入りに登録したモディファイアーのアイコンを表示します。

モディファイアーの登録ができたらプロパティ(Properties)のモディファイアーを確認します。
Favourite Modifiersで登録したふたつのモディファイアーが画像12の位置に表示され、選択するとモディファイアーをオブジェクトに追加できます。

以上、Blenderの「モディファイアーをより便利に使えるアドオン「Modifier List」」でした。
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