Blender: 自動でキーフレームを挿入できる「自動キー挿入(Auto Keying)」の使用方法

Blenderの自動キー挿入(Auto Keying)という機能を紹介します。

目次

1 自動キー挿入(Auto Keying)とは

自動キー挿入(Auto Keying)は、オブジェクトやボーンの移動(位置の変更)・回転・スケールを行ったときに、選択中のフレームにキーフレームを自動で挿入する機能です。
自動キー挿入(Auto Keying)を使用中は、Iキーでメニューを開いて手動でキーフレームを挿入する必要がなくなります。

自動キー挿入(Auto Keying)の基本的な手順は以下のようになります。

① 自動キー挿入(Auto Keying)をオンにする

② 現在のフレーム(Current Frame)を任意の場所に合わせる

③ オブジェクトやボーンの移動・回転・スケールを行う

④ キーフレームを自動で挿入する

①と②は順番を逆にしても問題ありませんが、その他については手順を間違えるとうまくキーフレームが挿入されないので注意してください。
③については移動・回転・スケールの他に、ポーズを貼り付け(Paste Pose)X軸反転ポーズを貼り付け(Paste X-Flipped Pose)を使用する場合もあります。

2 自動キー挿入(Auto Keying)の使用方法

ここでは自動キー挿入(Auto Keying)の使用例として、初めからある立方体(Cube)を画像1のように1フレーム目にXを1m、30フレーム目にXを5mというアニメーションを作成していきます(画像1では視点を前(Front)にしています)。

blender auto keying
画像1

2.1 「1フレーム目」の作成

2.1.1 自動キー挿入(Auto Keying)をオンにする

Blenderの下部にあるタイムライン(Timeline)内に自動キー挿入(Auto Keying)のボタンがあるので(画像2参照)、クリックしてオンの状態にします(画像2はオンの状態です)。

画像2

2.1.2 現在のフレーム(Current Frame)の設定

タイムライン(Timeline)の右上にある現在のフレーム(Current Frame)を1に設定します(画像3参照)。

画像3

再生ヘッド(青い四角内に数字が書かれているもの)を1に移動させて現在のフレーム(Current Frame)を設定しても構いません(画像4参照)。

画像4

2.1.3 オブジェクトの移動を行う

初めからある立方体のX軸の位置は0mなので、Gキー+Xキー+1キーやマニピュレーターを使用するなどの方法で、画像5のように立方体のX軸の位置が1mになるように移動させます。

blender auto keying
画像5

2.1.4 キーフレームの挿入

立方体を移動させたので自動キー挿入(Auto Keying)の機能によって、1フレーム目にキーフレームが自動で挿入されました(画像6参照)。

blender auto keying
画像6

サイドバー(Sidebar)>アイテム(Item)>トランスフォーム(Transform)を確認するとXの値が1mとなり、画像7のようになります。

blender auto keying
画像7

変更を加えていない回転(Rotation)スケール(Scale)のキーフレームを挿入したくない場合は、この後「3.2 アクティブキーイングセットのみ(Only Active Keying Set)」で紹介している方法を使用します。

2.2 「30フレーム目」の作成

2.2.1 自動キー挿入(Auto Keying)をオンにする

自動キー挿入(Auto Keying)はオンにしたままで30フレーム目のキーフレームを挿入していきます。

2.2.2 現在のフレーム(Current Frame)の設定

2つ目のキーフレームを挿入するために、現在のフレーム(Current Frame)を30に設定します(画像8参照)。

blender auto keying
画像8

再生ヘッドを30に移動させて現在のフレーム(Current Frame)を設定しても構いません(画像9参照)。

blender auto keying
画像9

2.1.3 オブジェクトの移動を行う

Gキー+Xキー+4キーやマニピュレーターを使用するなどの方法で、画像10のように立方体のX軸の位置が5mになるように移動させます。

blender auto keying
画像10

2.2.4 キーフレームの挿入

立方体を移動させたので自動キー挿入(Auto Keying)の機能によって、30フレーム目にキーフレームが自動で挿入されました(画像11参照)。

blender auto keying
画像11

サイドバー(Sidebar)>アイテム(Item)>トランスフォーム(Transform)を確認するとXの値が5mとなり、画像12のようになります。

blender auto keying
画像12

現在の状態でアニメーションさせると画像1のようになるはずです。

3 自動キー挿入(Auto Keying)に関する設定

ここからは自動キー挿入(Auto Keying)をオンにするボタンの隣にある下向きの矢印をクリックすると表示されるメニュー(画像13参照)についてです。

blender auto keying
画像13

3.1 追加と置換(Add & Replace)と置換(Replace)

初めは追加と置換(Add & Replace)が選択されていますが、置換(Replace)に切り替えると新規のキーフレームを挿入できなくなり、すでにあるキーフレームの位置・回転・スケールの値を別の値に置き換えることだけが可能になります。

3.2 アクティブキーイングセットのみ(Only Active Keying Set)

3.2.1 アクティブキーイングセットのみ(Only Active Keying Set)の使用方法

自動キー挿入(Auto Keying)でキーフレームを挿入する際に、位置・回転・スケールのうち必要のないものについてキーフレームを挿入させたくない場合は、アクティブキーイングセットのみ(Only Active Keying Set)を使用します。

アクティブキーイングセットのみ(Only Active Keying Set)にチェックを入れただけでは何も機能しないので、タイムライン(Timeline)の左上にあるキーイング(Keying)をクリックしてアクティブなキーイングセット(Active Keying Set)で位置・回転・スケールなどを選択して使用します。

例えば画像14のようにアクティブなキーイングセット(Active Keying Set)位置(Location)を選択して、アクティブキーイングセットのみ(Only Active Keying Set)にチェックを入れると、自動キー挿入(Auto Keying)でキーフレームを挿入したときに位置(Location)以外のものは含まれなくなります。

blender auto keying
画像14

3.2.2 アクティブなキーイングセット(Active Keying Set)について

アクティブなキーイングセット(Active Keying Set)自動キー挿入(Auto Keying)をオンにしていない場合でも使用可能です。

アクティブなキーイングセット(Active Keying Set)を設定すると、Iキーを押したときにキーフレーム挿入メニュー(Insert Keyframe Menu)を開かずに、設定した位置・回転・スケールなどのキーフレームを直接挿入できるようになります。

アクティブなキーイングセット(Active Keying Set)を使用してキーフレームを挿入すると、Blenderの画面下部に「3個のキーフレームをキーイングセット「Location」へ追加しました(Successfully added 3 keyframes for keying set ‘Location’)」というメッセージが表示されます。

3.3 レイヤーレコーディング(Layered Recording)

自動キー挿入(Auto Keying)を使用して、アニメーション再生(Play Animation)をした後に移動・回転・スケールを行ってキーフレームを挿入する場合(4.2を参照)、フレームの終了(End)まで行き再度開始(Start)に戻ると、すでにあったキーフレームを上書きしてしまいますが、レイヤーレコーディング(Layered Recording)にチェックを入れておくと、フレームの終了(End)まで行き再度開始(Start)に戻るときに、すでにあるキーフレームを上書きしないようにアクションをストリップに変換して残すことができます。

4 補足

4.1 トランスフォーム(Transformation)に値を入力した場合

自動キー挿入(Auto Keying)をオンにしている状態でトランスフォーム(Transformation)に値を入力して移動・回転・スケールを行った場合、変更を加えたものだけがキーフレームに登録されます。

例えば「2.1.3 オブジェクトの移動を行う」でトランスフォーム(Transformation)のXに5を入力して移動させた場合、画像14のように変更を加えたものだけがキーフレームに登録されます。

blender auto keying
画像14

複数の対象を選択している場合は、値を入力してEnterキーを押す際にAltキーを押しながらEnterキーを押してください(Altキーを押していない場合はアクティブな対象だけが移動・回転・スケールを行います)。

4.2 アニメーション再生(Play Animation)をした後で移動・回転・スケールを行う場合

自動キー挿入(Auto Keying)を使用する際に自動キー挿入(Auto Keying)をオンにする⇒アニメーション再生(Play Animation)を押す⇒オブジェクトやボーンの移動・回転・スケールを行う⇒キーフレームを自動で挿入する、という手順にする場合もあります。

4.3 「1フレーム目」で移動・回転・スケールの必要がない場合

「1フレーム目」で移動・回転・スケールの必要がない場合は、自動キー挿入(Auto Keying)を使用せずにIキーでキーフレーム挿入メニュー(Insert Keyframe Menu)を開いてキーフレームを挿入します。
または、自動キー挿入(Auto Keying)を使用する場合は、値を入力せずにGキー+Enterキーを使用してキーフレームを挿入することもできます。Gキーの代わりにRキーSキーEnterキーの代わりに左クリックも使用できます。

以上、Blenderの「自動キー挿入(Auto Keying)の使用方法」でした。

ここで使用しているのはBlender 3.3.0です。

参考サイト:
https://docs.blender.org/manual/en/latest/editors/timeline.html#bpy-types-toolsettings-use-keyframe-insert-auto
https://docs.blender.org/manual/ja/dev/editors/timeline.html
https://www.youtube.com/watch?v=UMGRXU2k40Y

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次