Blender: 下絵の読み込み・配置・表示設定について

Blenderで下絵(参照画像・参考画像・背景画像)として使用する画像を読み込む方法から、配置・表示設定まで解説します。

Contents

1. Blenderで下絵を使うと何ができる?

Blenderでは、キャラクターの三面図(正面・側面・背面図)や製品の図面(正面・平面・側面図)などの画像を参照画像として読み込み、下絵として表示しながらモデリングを行うことができます。

何も見ずにモデリングするのは難しいですが、下絵を使えば形状や比率を正確に再現しやすくなります。

2. Blenderで下絵を読み込む方法

2.1 「追加」のメニューから読み込む方法

下絵を読み込む前にテンキー1を押して、視点をフロント(前)に設定します。

3Dビューポート(3D Viewport)オブジェクトモード(Object Mode)にした状態で、Shiftキー +Aキー追加(Add)のメニューを呼び出し、画像(Image)> 参照(Reference)を選択します(画像1参照)。

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画像1

Blenderファイルビュー(Blender File View)が表示されたら、読み込みたい下絵をダブルクリックします。
これで3Dビューポート上に画像が読み込めます。

下絵には「Empty」「Empty.001」などの名前が、自動で付けられます。

下絵はそのときの3Dビューポートの視点(向き)に対して正面になるように読み込まれるので、事前に視点をフロント(前)にしていなかった場合は、読み込んだ後に回転させて調整する必要があります。これは次に紹介するドラッグ&ドロップで追加する場合も同様です。

2.2 ドラッグ&ドロップで追加する

こちらの場合も読み込む前にテンキー1を押して、視点をフロント(前)に設定します。

オブジェクトモードにした3Dビューポート上に、フォルダなどから下絵を直接ドラッグ&ドロップで読み込むことも可能です(画像2参照)。

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画像2

3. Blenderで使用する下絵の基本操作とおすすめの設定

3.1 オブジェクトとしての基本操作

読み込んだ下絵はエンプティ(Empty)と同じオブジェクトとして扱われるため(エンプティ表示方法(Display As)が違います)、以下の基本的な操作は他のオブジェクトと同様です。

  • クリックして選択
  • Gキーで位置の変更 / Alt+Gキーで位置のリセット
  • Rキーで回転 / Alt+Rキーで回転のリセット
  • Sキーでスケール / Alt+Sキーでスケールのリセット
  • Hキーで非表示 / Alt+Hキーで再表示
  • Xキーで削除

下絵を選択するとオレンジの枠が表示されますが、色によっては見えにくいので、選択できているかどうかはアウトライナー(Outliner)でも確認してください。アウトライナーは画面右上にある、オブジェクトなどがリスト表示されているエリアです。

下絵はレンダリングされません。

3.2 透過設定

3.2.1 「不透明度」

下絵を選択して、プロパティ(Properties)> データ(Data)> エンプティ(Empty)にある不透明度(Opacity)のチェックとスライダーで、透過具合を設定できます(画像3参照)。
値を0.00にすると完全に透過して見えなくなります。

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画像3

「不透明度」の値は半透明になる0.20から0.50くらいがおすすめです。

3.2.2 「深度」

深度(Depth)は下絵が、他のオブジェクトと重なった場合の表示方法(どのように隠れるか)を設定する項目です。

画像4はオブジェクトの立方体と下絵を重ねて配置して、深度だけを左からデフォルト(Default)前(Front)後(Back)と変更したものです。

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画像4
  • デフォルトでは、下絵の位置によって表示が変わります。重なっている、または後ろにある場合はその部分が隠れますが、オブジェクトより前に出せば隠れません。
  • では、下絵の位置にかかわらず常に前に表示されます。
  • では、下絵の位置にかかわらず常に後ろに表示されます。

下絵として使用する場合は、「深度」を「前」に設定するとオブジェクトに隠れず作業しやすくなります。

3.2.3 「サイド」

サイド(Side)は下絵の表と裏の表示設定を行います。
両面(Both)では表と裏の両方を表示、前(Front)では表だけ表示、後(Back)では裏だけ表示となります。

三面図を使用している場合は、正面は「前」だけ、背面は「後」だけ、側面は「両面」という設定がおすすめです。

3.3 下絵の左右反転

下絵を選択した状態で、Sキー+Xキー+「-1」と入力してEnterキーを押すと、左右反転ができます。
Sキー+Zキー+「-1」と入力してEnterキーを押すと、上下反転ができます。

3.4 下絵の管理

アウトライナーコレクション(Collection)を新規作成して下絵を管理すると、表示/非表示などの操作も容易になります。

画像5の例では「Background Images」という名前を付けたコレクションを作成して、そこで下絵を管理しています。

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画像5

3.5 下絵を選択不可にする方法

下絵を3Dビューポート上でクリックしても選択できないようにするには、以下の設定を行います。

アウトライナーの右上にあるフィルター(Filter)をクリックすると制限の切り替え(Restriction Toggles)というメニューが表示されるので、選択可能(Selectable)をクリックしてオン(青色がオンの状態です)にします(画像6参照)。

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画像6

その後、下絵の管理用のコレクションごと、または特定の下絵だけの選択を無効(Disable Selection)のアイコンをクリックします(画像7参照)。

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画像7

これで3Dビューポート上で下絵をクリックしても、選択できなくなります。
選択を無効のアイコンを再度クリックすれば、再度選択可能になります。

4. Blenderの下絵に関するその他の操作

4.1 位置とサイズの調整 - 「プロパティ」の「サイズ」と「オフセット」から

下絵を選択して表示される、プロパティ > データ > エンプティにあるサイズ(Size)オフセット(Offset)では(画像8参照)、下絵のオブジェクト自体の位置やスケールを変えずに、下絵の表示位置とスケールだけを調整できます。

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画像8

4.2 位置とサイズの調整 - 下絵のアイコンから

上記のサイズオフセットは、下絵のアイコンからも調整できます。

下絵を選択した状態で、画像の中央あたりにマウスのカーソルを移動させると×印が表示されるので、ここをドラッグして位置を調整できます(画像9参照)。
また、画像の端にマウスのカーソルを移動させると端が黄色に表示されるので、ここをドラッグして拡大/縮小できます。

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画像9

4.3 複数の下絵の大きさを合わせる方法

正面・側面・背面の3つの下絵を使用する際は、以下のように下絵の一番下の部分と、下絵の原点の位置を合わせると、大きさを合わせやすくなります。

例えば、画像10のような下絵を使用する場合(矢印が原点の位置です)、

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画像10

画像11のように、下絵の一番下の部分を原点の位置に合わせるようにオフセットを使用して位置を調整します。

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画像11

この状態でSキーでスケールすると、下絵の一番下の部分は固定できるので、一番上の部分だけ位置を合わせるだけでよくなります。

4.4 「参照」と「背景」の違い

追加 > 画像のメニューで、参照の下に背景(Background)がありますが、両者は画像12のようにプロパティ深度サイド表示先(Show in)の設定が違うだけです。

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画像12

ドラッグ&ドロップで追加した場合は参照の設定で読み込まれます。

4.5 「表示先」

4.5.1 「平行投影」

表示先平行投影(Orthographic)にチェックを入れると、平行投影を使用しているときのみ下絵を表示します。
追加 > 画像 > 参照またはドラッグ&ドロップで読み込んだ下絵は、平行投影にチェックが入っています(画像13参照)。

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画像13

視点がフロント(前)のときに表示されていた下絵が、視点を回転すると非表示になるのは、Blenderはデフォルトで自動透視投影(Auto Perspective)がオンになっていて、視点を回転させると自動で透視投影に切り替わるようになっているからです。

視点を回転しているときにも下絵を表示したい場合は、平行投影のほかに、次に紹介する透視投影(Perspective)にもチェックを入れる必要があります。
または、自動透視投影をオフにして視点を回転しているときも平行投影にする、という方法もあります。

4.5.2 「透視投影」

表示先透視投影にチェックを入れると、透視投影を使用しているときのみ下絵を表示します。

4.5.3 「軸に平行なときのみ」

表示先軸に平行なときのみ(Only Axis Aligned)にチェックを入れると、3Dビューポートの視点(向き)に対して下絵が平行になった(完全に正面を向いた)ときのみ、下絵を表示します。

軸に平行なときのみは、表示先平行投影透視投影と合わせて使用してください。

例えば、自動透視投影をオフにして作業をしている場合に、平行投影にチェックを入れていると、視点を回転しているときにも下絵が表示されます。
このとき、軸に平行なときのみにチェックを入れると、回転しているときは非表示にして、視点が例えばフロント(前)になったときだけ表示する、という設定が可能です。

5. Blenderで下絵を使う際によくあるトラブルと対処法

5.1 下絵を読み込める場所

下絵をドラッグ&ドロップで読み込める場所は、Blenderの3Dビューポート内だけです。
アウトライナーなどにドラッグ&ドロップしても読み込みはできません。

5.2 下絵を読み込む際のモード

下絵は、オブジェクトモードで読み込んでください。

5.3 下絵に使用できない画像形式

Blenderのバージョンによっては、下絵として読み込めない画像形式があります。
一般的にはJPEGやPNGなどの形式が確実です。

5.4 下絵が消える・表示されない

下絵が消えたり、見えなくなった場合は以下を確認してください。

  • 不透明度が0.00になっている場合は、値を上げてください。
  • 選択している深度によってはオブジェクトと重なると、下絵が隠れてしまいます。
  • サイドを選択している場合は正面だけ、を選択している場合は背面だけの表示になります。
  • 表示先でチェックを入れていない投影方法にすると、下絵は非表示になります。
  • Hキーで非表示設定にしている場合は、アウトライナーの目のアイコンがオフになっています。

6. 下絵に合わせたのに違和感が出る理由

キャラクターを作成する際に起こりやすいのですが、下絵にぴったり合わせて作ったのに「なんとなく違和感がある」と感じることがあります。

この原因は2Dを3Dに変換する難しさのほかに、以下のような投影方法の違いが関係しています。

  • 下絵が、平行投影と透視投影のどちらで描かれているのか。
  • モデリングをする際に、平行投影と透視投影のどちらで下絵と合わせているのか。
  • 完成した3Dモデルを平行投影と透視投影のどちらで撮影をするのか。

透視投影で描かれたキャラクターの下絵を、平行投影で位置を合わせてモデリングすると、完成した3Dモデルにも、透視投影で撮影した結果に違和感が生じやすくなります。

例えば、Blenderのモンキーをレンダリングして下絵に使う場合、平行投影では画像14のような下絵になり、

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画像14

透視投影では画像15のような下絵になります。

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画像15

この下絵を使ってそれぞれ平行投影でモデリングした場合、両者とも下絵とピッタリに作ったとしても、完成した3Dモデルにはかなりの違いが生じます。

以上、Blenderの「下絵の読み込み・配置・表示設定について」でした。

この記事で使用しているのはBlender 3.4.1とBlender 4.5.8です。

参考サイト

■ Blender 公式マニュアル:エンプティ
https://docs.blender.org/manual/ja/latest/modeling/empties.html

■ Blender 公式マニュアル:透視投影/平行投影
https://docs.blender.org/manual/ja/5.1/editors/3dview/navigate/projections.html

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