Blenderを使用して髪型を作成する手順をかなり省略して簡単に紹介します。
1 髪型の作例
以下の動画は、この記事で紹介する手順で作成した髪型です。
髪型を作る方法はいろいろありますが、この記事で紹介するのはヘアカードなどと呼ばれたりする短冊状のメッシュを髪の束として扱い髪型を作っていく方法です。
作成に必要なのはBlenderのみでアドオンは使用しません。
髪型の作成方法または作成手順はいろいろあるので、この記事で紹介するものもそれらの内のひとつとして参考にしてもらえればと思います。
2 髪型の作成手順
2.1 髪型の資料集め
まずは作成したい髪型の資料を集めます。
作成したい髪型の前から見た画像・横から見た画像・後ろから見た画像・上から見た画像・斜め前から見た画像などの資料が集まるのが理想ですが、同じ髪型でこれだけの資料を集めるのは結構大変なので、別々の髪型からこれらの資料を集めるのもいいと思います。
2.2 髪型をパーツに分ける
髪型は、前・横・後ろという感じにパーツを分けて作成していきます。
もう少し細かく分ける場合は、前A・前B・横A・横B・後ろと分けたりもします。
画像3の緑のラインが前・横・後ろと分けた場合で、緑と青のラインが前A・前B・横A・横B・後ろと分けた場合です。
また、前以外のパーツは厚みを持たせるためにさらに外側と内側と分けて作成します。
画像4のオレンジのラインが外側で、青のラインが内側です。
上記のように分けると髪の流れを理解しやすく、コレクションやオブジェクトの管理もしやすくなります。
別の髪型を作る時に個々のパーツを再利用できたりもします。
2.3 髪型をスカルプト
髪型をスカルプトして、大体のかたちを把握します。
今回の髪型では、画像5のようなものを作成しました(画像5はZBrushで作成していますが、どのソフトで作成しても構いません)。
スカルプトした髪型もパーツごとに分けておくと使いやすくなります。
2.4 ヘアカードの作成
平面(Plane)からヘアカードを作成します。
画像6は今回の髪型で使用した3種類のヘアカードです。
原点(Origin Point)をヘアカードの一番上の部分にしておくと、オブジェクトモード(Object Mode)での移動が操作しやすくなります。
ヘアカードの幅を小さくしてヘアカードの数を増やせばよりリアルな髪型になりますが、その分手間もかかるようになります。
ヘアカードはカーブ(Curve)で作成する場合もありますが、どちらを使用するかは好みで選んでいいと思います。
今回の記事ではテクスチャの作成については詳しくは省きますが、画像6で使用しているテクスチャはカーブ(Curve)を並べて作成したものです。
2.5 ヘアカードを配置
スナップ(Snap)やシュリンクラップ(Shrinkwrap)などを使用して2.3のスカルプトした髪型に貼り付けていくように、ヘアカードを配置していきます。
ヘアカードは最終的にひとつのオブジェクトにまとめても構いませんが、作成段階ではばらばらにしておいた方が修正が楽です。
ヘアカードは2.2で説明したようなパーツに分けて配置していきますが、このパーツはそれぞれ2層あるいは3層に分かれています(画像4で説明した内側は1層だけでも問題ありません)。
1層目は頭の部分が透けて見えないように隙間がほぼないテクスチャを使用します(画像6の左側のヘアカードを使用)。
2層目は髪に立体感を出すために隙間が多いテクスチャを使用します(画像6の中央のヘアカードを使用)。
3層目は使用しない場合もありますが、2層目よりさらに隙間の多いテクスチャを使用して、生え際の柔らかい部分や分け目などの跳ねた髪に使用します(画像6の右側のヘアカードを使用)。
画像6のヘアカードは8等分にしていますが、サブディビジョンサーフェス(Subdivision Surface)を追加して滑らかにします(角は丸めないようにします)。
1層目を作る際には中央に縦の辺を追加して、丸みのあるヘアカードにすると頭部が見えないように隙間を埋めやすくなります。
ヘアカードの配置が完了したものが画像7で、
Cyclesでレンダリングしたものが画像8・9・10で、完成です。
以上、Blenderの「髪型の作成手順」でした。
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