Blender: 旧バージョンのダウンロード・インストール・複数バージョン管理まで

この記事ではBlenderの旧バージョン(LTS版と、それ以外の過去バージョン)のダウンロード・インストールと、複数のバージョンを併用する方法を紹介します。

Contents

1. Blenderの旧バージョンとは?

Blenderの過去にリリースされた旧バージョンは公式のアーカイブに保管され、いつでもダウンロードできるようになっています。

1.1 なぜ旧バージョンが必要になるのか?

Blenderの旧バージョン(過去バージョン)は以下のような場合に必要になります。

  • 特定のアドオンを動かすため: 便利な拡張機能であるアドオンですが、常に最新版のBlenderに対応しているとは限りません。動作確認の取れているバージョンを使用することで、アドオンを問題なく利用できます。
  • 「.blend」ファイルを問題なく開くため: 「.blend」ファイルを作成したBlenderのバージョンと、違うバージョンでそのファイルを開いた場合、表示が崩れたり、正常に機能しないことがあります。「.blend」ファイルを作成したバージョンを使えば、問題なくファイルを開けます。
  • 過去のチュートリアルを再現するため: 解説動画や教本と同じバージョンを使用することによって、UIや機能などの違いに迷わされずチュートリアルを進められます。

1.2 どのバージョンを選ぶべきか?

Blenderのバージョンはおよそ以下の3つに分類されます。
どのバージョンを選ぶべきか迷っている方は、以下を参考にしてください。

1.2.1 最新版

最新版(Latest)では最新の機能がすべて使えることに加えて、パフォーマンスの改善、バグの修正などが期待できるというメリットがあります。
また、一部のアドオンが未対応で使えない場合があり、解説記事や動画などの情報がまだ少ない場合もあるという点はデメリットになります。

1.2.2 LTS版

LTS版(長期サポート)は最新の機能が使えないという意味では旧バージョンの扱いになりますが、2年間、バグ修正などのサポートが続くため非常に安定しています。
アドオンがLTS版を基準にして作られることも多く、解説記事や動画などの情報も多いです。

1.2.3 旧バージョン

LTS版以外の旧バージョンは、すでに開発・サポートが終了している過去のバージョンです。
「昔のチュートリアル動画を完全に再現したい」「使いたいアドオンが最新版で動かない」という明確な目的がある方向けです。

1.3 複数のバージョンは併用(共存)できるのか?

Blenderでは複数の異なるバージョンの併用(共存)が可能です。
例えば、普段使っているLTS版の環境はそのままで、特定の作業のために旧バージョンを入れたり、最新版を追加して少し試してみる、といったことも可能です。

2. Blenderの旧バージョンのダウンロード

2.1 LTS版のダウンロード

LTS版をダウンロードしたい場合は、まず下記のページを開きます。
https://www.blender.org/download/lts/

「LTS Releases Currently Maintained」と書かれている下にLTS版があるので(画像1参照)、クリックします。
2026年3月時点では4.5と4.2のふたつがありますが、LTSのラインナップは時期によって変わるため、最新の状況はページ上で確認してください。

blender_lts_previous_version
画像1

ページが切り替わったら「Download」という項目から使用しているOSと、「Installer」か「Portable (.zip)」を選択してファイルをダウンロードしてください(画像2参照)。
「Installer」と「Portable (.zip)」の違いについては「2.3 ダウンロードするファイルの違い」で説明します。

blender_lts_previous_version
画像2

「Give Back to Blender」という寄付のページが表示されますが、寄付は任意のため、そのままダウンロードに進んで問題ありません。

LTS版がどのバージョンかわかっていれば、次の「2.2 LTS版以外の旧バージョンのダウンロード」で紹介する方法でもダウンロードできます。

2.2 LTS版以外の旧バージョンのダウンロード

下記のBlenderのサイトに移動したら、「Download Any Blender」と書かれたところをクリックします(画像3参照)。
https://www.blender.org/download/previous-versions/

blender_lts_previous_version
画像3

または、下記のサイトへ直接移動します。
https://download.blender.org/release/

サイトへ移動するとダウンロード可能なバージョンのリストが表示されるので、まずは必要なバージョンを選択して、その後環境に合ったものをダウンロードしてください。
Windows用には主に「.msi」「.msix」「.zip」の3つがありますが、この違いについては「2.3 ダウンロードするファイルの違い」で説明します。

例えばWindows(64bit)版のBlender 4.5.8の.zip版をダウンロードしたい場合は、最初に「Blender4.5」を選択して、その後「blender-4.5.8-windows-x64.zip」をクリックしてファイルをダウンロードします(画像4参照)。

blender_lts_previous_version
画像4

2.3 旧バージョンをダウンロードする際のファイルの違い

Windows用の3つのファイル形式には以下のような違いがあります。

公式サイトのダウンロードページによって表記が異なりますが、「Installer」としてダウンロードされるファイルが「.msi」であり、「Portable (.zip)」としてダウンロードされるファイルが「.zip」です。

「Installer」または「.msi」を使うと、Blenderが通常のWindowsのアプリとしてインストールされます。Windowsの「インストールされているアプリ」のリストにも表示され、アンインストールもここから行います。

「Portable (.zip)」または「.zip」を使うと、Windowsには干渉せずに独立してBlenderを使えます。アンインストールもフォルダごと削除するだけなので簡単です。

「.msix」は「.msi」の次世代版で、「インストールが簡単」「アンインストール時に不要なファイルがパソコンに残らない」といったメリットがあります。一方で、セキュリティの仕様上、インストール先のフォルダやファイルにユーザーが直接変更を加えるのが難しいという側面もあります。「.msix」がないバージョンもあります。

「Installer」または「.msi」と「Portable (.zip)」または「.zip」のどちらを選択すればいいのかについて決まった答えはありませんが、この記事のテーマのひとつである「複数のBlenderを併用(共存)する」という運用においては、Windowsのシステムに干渉せず、フォルダごとに独立して管理・削除ができる「Portable (.zip)」が適しています。
そのため、この記事では「Portable (.zip)」または「.zip」を使った手順をメインに解説を進めます。

3. Blenderの旧バージョンのインストール

3.1 起動の前に確認:「ポータブル化して使う場合」と「そのまま使う場合」の違い

ダウンロードしたZIPファイルはお好みの場所に展開(解凍)してください。

展開したフォルダ内にある「blender.exe」を実行するとBlenderが起動しますが、Blenderのプリファレンス(Preferences)で行った設定や、インストールしたアドオンのファイルや設定の保存場所が「ポータブル化して使う場合」と「そのまま使う場合」で異なります。起動前にどちらの手順で進めるか決めてから、次の手順に進んでください。

3.2 「ポータブル化して使う場合」

展開したフォルダを開き、「blender.exe」がある場所を開きます。
「blender.exe」と同じ場所(同じフォルダの中)に、新しく「portable」という名前の新規フォルダを作成します(画像5参照)。
この「portable」フォルダが存在する場合、Blenderは設定やアドオンをここに保存するようになります。これでポータブル化は完了です。

blender_lts_previous_version
画像5

「blender.exe」を実行してBlenderの設定の変更やアドオンの追加などを行うと、作成した「portable」に保存されます。

※ Blender 4.1以前のバージョンでは手順が異なります。「blender.exe」があるフォルダの中に「4.1」や「3.6」のようなバージョン番号の名前のフォルダがあるので、それを開いて、その中に「config」という名前の新規フォルダを作成してください。

複数のバージョンを併用する場合は、「blender.exe」のショートカットをWindowsのデスクトップやタスクバーに追加しておくと便利です。

3.3 「そのまま使う場合」

展開したフォルダの「blender.exe」をそのまま実行すると、設定ファイルやアドオンは互いに干渉しないよう下記の場所にバージョンごとに保存されます。「AppData」は隠しファイル(隠しフォルダ)です。

C:\ユーザー\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\(バージョン)

「そのまま使う場合」を選択しても問題ありませんが、隠しファイル(隠しフォルダ)を開くことに抵抗がある場合はポータブル化がおすすめです。
アンインストールする際のファイルの削除もポータブル化した方が簡単です。

隠しファイル(隠しフォルダ)は、フォルダ上部にあるメニューの表示 > 表示 > 隠しファイルにチェックを入れると表示されます(半透明のフォルダで表示されます)。

途中からポータブル化したい場合、「blender.exe」がある場所に「portable」という名前の新規フォルダを作成して、上で場所を紹介した「AppData」のバージョンの中のフォルダ(「config」などのフォルダ)を、作成した「portable」にすべてコピーします。
他のバージョンのBlenderを使用していない場合、コピー後、「AppData」のフォルダは「Blender Foundation」ごと削除してかまいません。

4. Blenderの設定の引き継ぎと初期状態に戻す方法

Blenderの旧バージョンやLTS版を使用する場合に知っておきたいプリファレンス(Preferences)で行った設定や、インストールしたアドオンのファイルや設定などの引き継ぎ方法と、引き継ぎによって不具合が生じた際に初期状態(デフォルト)に戻す方法について紹介します。

4.1 設定を引き継ぐ方法

4.1.1 「ポータブル化して使う場合」の引き継ぎ

インストール時に作成した「portable」をフォルダごと、移行先のBlenderの「blender.exe」がある場所にコピーします。

ポータブル化した場合、Blender起動時に表示されるスプラッシュスクリーンに「Import Blender (Blenderのバージョン) Preferences」の表示はないので(画像6参照)、上記のように手動でコピーする必要があります。

blender_lts_previous_version
画像6

4.1.2 「そのまま使う場合」の引き継ぎ

Blender起動時に表示されるスプラッシュスクリーンにある「Import Blender (Blenderのバージョン) Preferences」をクリックすると(画像7参照)、設定を引き継げます。

blender_lts_previous_version
画像7

「3.3 そのまま使う場合」で説明した「AppData」のバージョンの中のフォルダから、設定ファイルをコピーして引き継ぐこともできます。

4.2 初期状態に戻す方法

設定の引き継ぎは便利ですが、Blenderに大きな変更があった場合に、UIが正しく反映されない、起動しない、設定が反映されない、アドオンが機能しないなどの不具合が生じることがあります。
こうした不具合は特に、新しいバージョンで作った設定を古いバージョンに引き継ぐ際に起きやすいため、注意が必要です。

不具合の原因が特定できないときは、引き継いだ設定をすべて削除して、一度初期状態に戻すことも考慮に入れる必要があります。

初期状態に戻すにはBlenderを終了させた状態で、「ポータブル化して使う場合」では「portable」フォルダの中身をすべて削除します(「portable」フォルダ自体は残してください)。

「そのまま使う場合」では、下記の場所にあるバージョンが書かれたフォルダを削除します。

C:\ユーザー\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\(バージョン)

初期設定を読み込む

Blenderのファイル(File)>デフォルト(Default)> 初期設定を読み込む(Load Factory Settings)を使用した場合、プリファレンスの設定などはリセットされますが、アドオンのデータやカスタム設定が残ってしまいます。確実に初期状態に戻したい場合は、前述のフォルダ削除を行ってください。

4.3 初期状態に戻した後

初期状態に戻したら、Blenderのプリファレンスで必要な設定の変更を行ってください。

アドオンは未対応のバージョンでは全く機能しないこともあるので、対応しているバージョンを確認してください。

一度初期状態に戻すと、変更していた設定やインストールしていたアドオンを忘れてしまうことがあるため、いろいろなバージョンを試す方はメモを残しておくことをおすすめします。

5. Blenderの旧バージョンのアンインストール

5.1 「ポータブル化して使う場合」

Blenderをポータブル化して使っている場合は、展開したフォルダ(例: blender-4.5.8-windows-x64)を削除してください。設定やアドオンは展開したフォルダ内の「portable」フォルダに保存されているため、フォルダごと削除すれば完全にアンインストールできます。

不必要であれば、ダウンロードしたZIPファイルも削除してかまいません。

5.2 「そのまま使う場合」

ポータブル化せずに「そのまま使う場合」を選択した場合は、展開したフォルダ(例: blender-4.5.8-windows-x64)を削除してください。
さらに、下記の場所にあるバージョンが書かれたフォルダを削除してください。今後Blenderを使う予定がなければ、「AppData」内のBlender Foundationごと削除しても構いません。

C:\ユーザー\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\(バージョン)

不必要であれば、ダウンロードしたZIPファイルも削除してかまいません。

5.3 「Installer」または「.msi」を使用した場合

「Installer」または「.msi」でインストールした場合は、Windowsの「設定」>「アプリ」>「インストールされているアプリ」からアンインストールしてください。

6. 複数のBlenderのバージョンを併用する際の注意点

「4. 設定の引き継ぎと初期状態に戻す方法」で紹介した設定などの引き継ぎによる不具合のほかに、複数のバージョンを併用する際の注意すべき点をまとめました。

6.1 ファイルの互換性

「.blend」ファイルは、作成したバージョン以外ではうまく開けない場合があります。
表示が崩れるなど、うまく開けない状態のまま上書き保存をしてしまうと、元のバージョンに戻しても正常に開けなくなる恐れがあるため注意してください。
特に新しいバージョンで作成した「.blend」ファイルを、古いバージョンで開く際に起きやすいです。

保存してどのバージョンでもうまく開けなくなった場合は、手動、またはBlenderのバージョンを保存(Save Versions)という機能でバックアップしていた「.blend」から復旧を試みてください。
それができない場合は、オブジェクトやマテリアルなどの個々のデータだけをアペンド(Append)で取り出して使う、FBXやOBJなどの形式で出力と入力を行う、などの方法を試みてください。

6.2 ファイルの関連付け

「.blend」ファイルをダブルクリックして開く場合、複数のバージョンを併用していると、望むバージョンで開けないことがあります。
そのため、ダブルクリックは使わずに、初めに使いたいバージョンのBlenderを起動して、ファイル (File)> 開く(Open)を使用するか、ドラッグアンドドロップで開く方法を使ってください。

7. BlenderのAlpha版とBeta版について

Alpha版とBeta版は下記の場所からダウンロードできます。
https://builder.blender.org/download/daily/

Beta版やAlpha版の使用は「Use at your own risk.(自己責任でご使用ください)」と表記されている通り、通常の作業には使用せず、新機能を試してみるなどの使用方法が推奨されます。

以上、Blenderの「旧バージョンのダウンロード・インストール・複数バージョン管理まで」でした。

参考サイト

■ Blender公式マニュアル – Windowsへのインストール
https://docs.blender.org/manual/en/latest/getting_started/installing/windows.html
■ Blender公式マニュアル – Blenderのディレクトリレイアウト(設定ファイルの保存場所)
https://docs.blender.org/manual/en/latest/advanced/blender_directory_layout.html
■ Blender公式 – 過去のリリースノート一覧
https://www.blender.org/download/releases/

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