Blenderのグラフエディター(Graph Editor)などで使用する外挿モード(Extrapolation Mode)の機能を紹介します。
1 外挿モード(Extrapolation Mode)とは
外挿モード(Extrapolation Mode)とは最初のキーフレームの前と最後のキーフレームの後のFカーブを制御する機能です。
グラフエディター(Graph Editor)で画像1のようなキーフレームとFカーブがあった場合、オレンジ色で示した最初のキーフレームの前と最後のキーフレームの後の部分が外挿です。
外挿モード(Extrapolation Mode)と対になる補間モード(Interpolation Mode)というものもあり、補間モード(Interpolation Mode)ではキーフレーム間のFカーブを制御します。
また、ノンリニアアニメーション(Nonlinear Animation)にも外挿(Extrapolation)という機能がありますが、この記事で紹介する外挿モード(Extrapolation Mode)とは少し違うので注意してください。
2 外挿モード(Extrapolation Mode)の使用方法
2.1 メニューの呼び出し方
2.1.1 グラフエディター(Graph Editor)
グラフエディター(Graph Editor)ではチャンネルまたはキーフレームを選択した状態でヘッダーのチャンネル(Channel)>外挿モード(Extrapolation Mode)と進むか、ショートカットキーのShiftキー+Eキーで画像2のようなメニューが表示されるので、値を保持して外挿(Constant Extrapolation)・傾きを保持して外挿(Linear Extrapolation)・ループにする(Make Cyclic)・ループを解除(Clear Cyclic)からひとつを選択します。
外挿モード(Extrapolation Mode)が使用されるのは、そのとき選択していたチャンネルのキーフレームのみです。
複数のチャンネルまたはキーフレームを選択していた場合は、そのすべてに外挿モード(Extrapolation Mode)が使用されます。
2.1.2 アクションエディター(Action Editor)
アクションエディター(Action Editor)でもチャンネルまたはキーフレームを選択した状態で、ヘッダーのチャンネル(Channel)>外挿モード(Extrapolation Mode)と進むか、ショートカットキーのShiftキー+Eキーで画像2のようなメニューが表示されます。
2.1.3 タイムライン(Timeline)
タイムライン(Timeline)でもオブジェクトやボーンを選択した状態でShiftキー+Eキーで画像2のようなメニューが表示されます。
2.2 値を保持して外挿(Constant Extrapolation)
値を保持して外挿(Constant Extrapolation)はデフォルトで選択されている外挿モード(Extrapolation Mode)です。
値を保持して外挿(Constant Extrapolation)では、最初のキーフレームの前は最初のキーフレームと同じ値で一定になり、最後のキーフレームの後は最後のキーフレームと同じ値で一定になります。
値を保持して外挿(Constant Extrapolation)を使用しているキーフレームのXの位置が10フレームで0、20フレームで5の画像3のようなFカーブがあったとします。
このFカーブでは10フレームの前の9フレームの値も0で、その前の8フレームの値も0で、その前のどのフレームも値は0で一定です。また20フレームの後の21フレームの値も5で、22フレームの値も5で、その後のどのフレームも値は5で一定です。
2.3 傾きを保持して外挿(Linear Extrapolation)
外挿モード(Extrapolation Mode)の傾きを保持して外挿(Linear Extrapolation)では、最初のキーフレームの前は最初のキーフレームと同じ傾きになり、最後のキーフレームの後は最後のキーフレームと同じ傾きになります。
キーフレームのXの位置が10フレームで0、20フレームで5、30フレームで0、40フレームで5である画像4のようなFカーブがあったとします。
このようなFカーブに傾きを保持して外挿(Linear Extrapolation)を使用すると、画像5のように10フレームより前のフレームでは10フレームのFカーブと同じ傾きになり、40フレームより後のフレームでは40フレームのFカーブと同じ傾きになります。
傾きを保持して外挿(Linear Extrapolation)からデフォルトの状態に戻したい場合は、外挿モード(Extrapolation Mode)のメニューから値を保持して外挿(Constant Extrapolation)を選択してください。
2.4 ループにする(Make Cyclic)とループを解除(Clear Cyclic)
外挿モード(Extrapolation Mode)のループにする(Make Cyclic)では、最初のキーフレームから最後のキーフレームまでのFカーブをキーフレームの前後でも繰り返します。
キーフレームのXの位置が10フレームで0、20フレームで5、30フレームで0である画像6のようなFカーブがあったとします。
このようなFカーブにループにする(Make Cyclic)を使用すると、画像7のように最初のキーフレームから最後のキーフレームまでのFカーブを、最初のキーフレームの前と最後のキーフレームの後でも繰り返します。
外挿モード(Extrapolation Mode)のループにする(Make Cyclic)は、画像8のグラフエディター(Graph Editor)のサイドバー(Side Bar)にあるモディファイア―(Modifier)のループ(Cycles)と同じです。
ループにする(Make Cyclic)を使用した状態から元に戻すには、外挿モード(Extrapolation Mode)のメニューからループを解除(Clear Cyclic)を選択するか、グラフエディター(Graph Editor)のサイドバー(Side Bar)にあるモディファイア―(Modifier)のループ(Cycle)を削除します。
3 補足
3.1 最初と最後の値が違う場合のループ
キーフレームのXの位置が10フレームで0、20フレームで5、30フレームで0、40フレームで5である画像9のようなFカーブがあったとします。このFカーブにループにする(Make Cyclic)を使用した場合、
最初のキーフレームの値と最後のキーフレームの値が違うので、画像10のようにきれいなループのFカーブにはなりません。
3.2 ストリップ(Strip)に変換した場合
外挿モード(Extrapolation Mode)の値を保持して外挿(Constant Extrapolation)・傾きを保持して外挿(Linear Extrapolation)・ループにする(Make Cyclic)を使用したアクションをストリップ(Strip)に変換した場合でもその機能は有効ですが、有効なのはストリップ(Strip)の開始フレーム(Frame Start)から最終フレーム(Frame End)の間だけで、ストリップ(Strip)の外では有効になりません。
以上、Blenderの「外挿モード(Extrapolation Mode)の使用方法」でした。
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