BlenderのCyclesで発光の表現ができる放射(Emission)の基本的な使用方法を以下の2通り紹介します。
前回のその1では、方法1のオブジェクト全体を発光させたい場合を紹介しました。
今回のその2では、方法2のEmission Mapを使用して発光させたい部分を指定する場合を紹介します。
※Eeveeでは方法が異なるので注意してください。
Emission Mapを使用して発光させたい部分を指定する場合の手順
1. レンダ―エンジン(Render Engine)の切り替え
Blenderを起動したら、プロパティ(Properties)のレンダ―プロパティ(Render Properties)でレンダ―エンジン(Render Engine)をEeveeからCyclesに変更します(画像1参照)。

画像1
2.. サーフェス(Surface)のカラー(Color)の変更
発光している様子がわかりやすいように、プロパティ(Properties) → ワールドプロパティ(World Prpperties) → サーフェス(Surface)のカラー(Color)を真っ黒に変更します(画像2参照)。

画像2
この手順は必須ではないので、必要ない場合は省略してください。
3. Emission Mapの準備
Emission Mapは、UVマップに合わせて発光させる場所と発光させない場所をテクスチャで色分けしたものです。
ここでは画像3のようなEmission Mapを使用します。

画像3
黒い部分は発光させない場所で、色を塗った場所はその色で発光します。
4. 立方体(Cube)のマテリアルの設定
初めからある立法体(Cube)を選択したらエディタータイプ(Editor Type)を3Dビューポート(3D Viewport)からシェーダーエディター(Shader Editor)に切り替え、立方体(Cube)のマテリアル(Material)を設定していきます。
4.1 ノードのつなげ方 その1
放射(Emission)、シェーダーミックス(Mix Shader)、準備しておいたEmission Mapを追加して、画像4.1のようにつなげます(放射(Emission)とプリンシプルBSDF(Principled BSDF)は上下逆でも構いません)。

画像4.1
プリンシプルBSDF(Principled BSDF)のベースカラー(Base Color)を好みの色に変更して(ここでは赤色に変更しました)、放射(Emission)の強さ(Strength)の値を5ぐらいに上げてげておきます(Strengthの値が低いと次に紹介するGlareを設定しても発光しているように見えない場合があります)。
4.2 ノードのつなげ方 その2
プリンシプルBSDF(Principled BSDF)内にある放射(Emission)を使用する場合には画像4.2のようにつなげます。
プリンシプルBSDF(Principled BSDF)内にある放射(Emission)とEmission Mapの間にHSV(色相/彩度/輝度)(Hue Saturation Value)を挟んで、値(Value)の値で光の強さを設定します。
その1とその2の両方に共通しますが、Base Color MapやNormal Mapがある場合は、通常のようにプリンシプルBSDF(Principled BSDF)につないでください。
この段階でレンダリングしてみると、画像5のようになります。

画像5
5. コンポジター(Compositor)による設定
エディタータイプ(Editor Type)をコンポジター(Compositor)に切り替えたら、上部にあるノードを使用(Use Nodes)にチェックを入れます(画像6参照)。

画像6
追加(Add) → フィルター(Filter)からグレア(Glare)を追加したら画像6のようにつなげて、光の筋(Steaks)をフォググロー(Fog Glow)に変更します(画像7参照)。

画像7
ここで再度レンダリングしてみると画像8のようにEmission Mapで黒く塗った場所はプリンシプルBSDF(Principled BSDF)のベースカラー(Base Color)がそのままレンダリングされ、Emission Mapで色を付けた場所はその色で発光しているように見えると思います。

画像8
放射(Emission)の強さ(Strength)またはHSV(色相/彩度/輝度)(Hue Saturation Value)の値(Value)の値を増やすと画像9のようになります。
以上、Blenderの「Cyclesで放射(Emission)を使用する方法 – その2」でした。
※この記事で使用しているのはBlender 2.82です。
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