BlenderのBool Toolというアドオンを紹介します。
1 Bool Toolとは
1.1 Bool Toolとは
Bool Toolは、モディファイアー(Modifier)のブーリアン(Boolean)を使用する際の多くの手間を省く機能を持ったフリーのアドオンです。
この記事ではモディファイアーのブーリアンについての詳しい説明は行いません。

1.2 Bool Toolのインストール
Bool ToolはBlender Extensionsで公開されています。
アドオンのダウンロードやインストール方法については下記の記事を参照してください。

Blender 4.2より前のバージョンでは、Bool Toolは初めからBlenderにインストールされているので、アドオンの設定でBool Toolにチェックを入れるだけで使用可能になります(画像1参照)。

1.3 Bool Toolのメニュー
Bool Toolをインストール後、サイドバー(Sidebar)>編集(Edit)>Booleanに、Bool Toolのメニューが表示されます(画像2参照)。
Ctrlキー+Shiftキー+BキーでBool Toolのメニューを開くことも可能です。

編集モード(Edit Mode)ではメニューは表示されません。
2 Bool Toolの使用方法
2.1 説明用のサンプルの準備
画像3のような立方体と円柱をサンプルとしてBool Toolの使用方法を紹介していきます。

画像3ではエッジが見やすいように3Dビューのシェーディング(Viewport Shading)のメニューにあるキャビティ(Cavity)にチェックを入れてあります(画像4参照)。

2.2 Auto Booleanの使用方法
まずはAuto Booleanの使用方法です。
Shiftキーを押しながら円柱⇒立方体の順番で選択してAuto BooleanのDifferenceをクリックすると、画像5のようにすぐにブーリアンの差分(Difference)を適用(Apply)した状態になり、ブーリアンに使用したオブジェクト(今回のサンプルでは円柱)は削除されます。

3つ以上のオブジェクトをShiftキーを押しながら選択してAuto Booleanを使用することも可能です。
オブジェクトをいくつ選択した場合でも、最後に選択したオブジェクトにモディファイアーのブーリアンが追加されるかたちになります。
Auto BooleanのUnion・Intersect・Sliceをクリックした場合も上記と同様にブーリアンが可能です。
2.3 Brush Booleanの使用方法
次にBrush Booleanの使用方法です。
2.3.1 Brush Boolean
Shiftキーを押しながら円柱⇒立方体の順番で選択してBrush BooleanのDifferenceをクリックした場合は、画像6のようにモディファイアーのブーリアンを追加して、オブジェクト(Object)に対象となるオブジェクト(今回のサンプルでは円柱)を設定するところまでを実行します。

立方体のプロパティ(Properties)>モディファイア―プロパティ(Modifier Properties)を確認すると、画像7のようにブーリアンが追加されていて、差分(Difference)が選択され、オブジェクト(Object)に円柱(Cylinder)が設定されています。

アウトライナー(Outliner)を確認すると、画像8のようにboolean_cuttersというコレクション(Collection)が作成され、円柱(Cylinder)がここに移動しています。
また、円柱がレンダリングされないようにカメラのアイコンがオフになっています。
さらに円柱が立方体の子として設定されるので、立方体をオブジェクトモードで移動などをさせた場合に、円柱も同じように移動などをするようになります。

3つ以上のオブジェクトをShiftキーを押しながら選択してBrush Booleanを使用することも可能です。
オブジェクトをいくつ選択した場合でも、最後に選択したオブジェクトにモディファイアーのブーリアンが追加されるかたちになります。
Brush BooleanのUnion・Intersect・Sliceの場合も同様です。
画像6で確認できるようにBrush Booleanでは円柱がバウンディングボックス(Bounding Box)表示になるので、ブーリアンの結果を想像しやすくなっています。
ブーリアンに使用されるオブジェクト(今回のサンプルでは円柱)の位置や大きさを後で調整することが通常は多いと思うので、すぐにブーリアンを実行してしまうAuto BooleanよりBrush Booleanの方が使用頻度は高いと思います。
2.3.1 Display as Wireframe
アドオンをインストールする際にBool ToolのPreferencesにあるDisplay Cutters as Wireframeにチェックを入れると(画像9参照)、

ブーリアンに使用されるオブジェクトがバウンディングボックス(Bounding Box)表示からワイヤーフレーム(Wireframe)表示に変更されます(画像10参照)。

すでに実行済みのオブジェクトに対しては効果はありません。
2.3.5 その他の操作
Brush BooleanのPropertiesとCuttersでは以下のような操作が可能です(画像11参照)。

立方体を選択してToggle All Cuttersをクリックすると、すべてのブーリアンの効果を一時的にオフにします。
また、円柱を選択してToggle Cuttersをクリックすると、円柱のブーリアンの効果だけを一時的にオフにします。
立方体を選択してApply All Cuttersをクリックすると、すべてのブーリアンを適用します。
また、円柱を選択してApply Cutterを選択すると、円柱のブーリアンだけを適用します。
立方体を選択してRemove All Cuttersを選択すると、すべてのブーリアンを解除して、親子関係や表示に関する設定も元に戻します。
また、円柱を選択してRemove Cutterを選択すると、円柱だけブーリアンを解除して、親子関係や表示関する設定も元に戻します。
Cuttersのリストにある目のアイコンをクリックすると、円柱のブーリアンの効果だけを一時的にオフにします。
チェックのアイコンはブーリアンの適用で、×のアイコンはブーリアンの解除です。
3 Bool Toolを使用する際のオブジェクトの表示について
Bool ToolのBrush Booleanを使用する際、円柱がバウンディングボックス(Bounding Box)表示またはワイヤーフレーム(Wireframe)表示になりますが、これはプロパティ(Properties)>オブジェクトプロパティ(Object Properties)>ビューポート表示(Viewport Display)>表示方法(Display as)の設定と関係しています(画像12参照)。

Display as Wireframeにチェックを入れない場合は、ブーリアンに使用されるオブジェクトがバウンド(Bounds)となり、Display as Wireframeにチェックを入れた場合、ブーリアンに使用されるオブジェクトがワイヤーフレーム(Wire)となります。
Bool Toolを使わずにモディファイアーのブーリアンを使用する場合でも、ブーリアンに使用されるオブジェクトをバウンド(Bounds)またはワイヤーフレーム(Wire)とすればBool ToolのBrush Booleanを使用したときと同じような表示になります。
Display asをテクスチャ(Textured)にすれば、デフォルトの表示に戻ります。
以上、Blenderの「Bool Toolの使用方法」でした。
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